郷土資料館のデジタルアーカイブは、郷土愛を涵養する基礎になる。
博物館法が改定されて、博物館資料のデジタルアーカイブの作成と公開が博物館業務に位置付けられました。これは大きな博物館や美術館だけのことではありません。地域の記録を残す郷土資料館においても、資料館資料のデジタルアーカイブの作成と公開は大切な業務だと考えています。しかしながら、さまざまな要件から地域の郷土資料館にあてられる予算が厳しいこともまた理解しています。デジタルアーカイブはお金がかかる。デジタルアーカイブは初期費用もかかるが月々にかかる費用も考えるとなかなか難しい……そういう声をよく耳にします。
これまでのデジタルアーカイブのスタイルでは、資料のデジタル化そのものにかかる費用だけでなっく、デジタルアーカイブを構築するためのサーバ側のプログラミングやサーバ側のソフトウェア使用料など初期費用や月々の費用が予想を超える金額になることも少なくはありません。また、一度ウェブ上だけで作ってしまったデジタルアーカイブは他のサーバへの転居も難しく、安価にデジタルアーカイブを公開する手段がないまま、予算が工面できなくなればサイトを閉鎖するという選択肢しかありませんでした。
私たちNPO法人地域資料デジタル化研究会は、そんな現状を解決するためにより持続可能な状態でデジタルアーカイブを構築するためのスタイルとして、 サスティナブル・アーカイブ・ギャラリーあまのがわ スタイルを作りました。デジタルアーカイブの基本としては、[マスターデータ]と[目録情報]をデジタルアーカイブの本体とし、[ウェブ公開]は共有のための手段としてとらえています。具体的にはウェブ公開には特別なシステムを使うことなくすべて静的なHTMLファイルのみで作成し、どのようなウェブサーバ上でもフォルダを丸ごとアップロードすれば閲覧できます。これはなんらかの事情でサーバを移転しなければならない場合にもフォルダをそのままコピーすればよいのです。またインターネット上だけでなく、パソコンのハードディスクやUSBメモリに保存した状態でも閲覧ができます。決して新しい技術ではありませんが、だからこそ持続的にデジタルアーカイブを継続できるのです。
ご相談いただければ予算に応じて対応できます。またご希望があれば職員の方と伴走しながらデジタルアーカイブを構築することで、結果的に職員の方々のデジタルスキルの向上にも寄与することができるのも、私たちNPO法人ならではのカタチです。
まずは少しずつ、小さく始めるのも良いかと思います。この機会にご検討ください。
【参考】
- 博物館法の一部を改正する法律(令和4年法律第24号)について | 文化庁
- 法改正で変わる日本の博物館 | 文化庁
- 博物館法 | e-Gov法令検索
※ 写真はジャパンサーチより
手順
次のような手順で、観光地における古い写真のご提供の呼びかけから、最終的にはインターネット上への公開までを、お客様といっしょに伴走しながらつくりあげていきます。
- まずは下記のフォームからお問い合わせください
- こちらから電話またはメールにて対応いたします。
- 打ち合わせ:オンラインまたは直接お伺いしての打ち合わせをいたします。
- 呼びかけ:まずは図書館のイベントとして地域デジタルアーカイブワークショップの開催のお手伝いをいたします。
- 提供写真の整理:ご提供いただいた写真を、デジタル化後にはきちんとご返却するためにも、写真の整理・保存袋への仕分けなどの作業が必要となります。
- デジタル化:一点一点の写真やチラシやポスターなどを丁寧にデジタル化いたします。
- 目録作成:デジタル化した画像には、名称(タイトル)や年月、場所、イベント内容などの必要な目録情報を作成いたします。
- ウェブ構築:共有のためのウェブ形式でのページの作成を行います。私どもにはより持続性を高めた「サスティナブル・アーカイブ・ギャラリーあまのがわ」にもとづくスタイルでのデジタル化、ウェブ化に取り組んでおります。
- パッケージング:マスターデータ、目録情報、ウェブ形式の各種ページを納品用にパッケージングします
- ウェブ公開:あまのがわサーバによるウェブ公開を行います。公開する時点でWebサイトのアドレス(URL)が確定しますので、Googleのサイト内検索、アクセス統計などを得ることができる処理を追加します。
- イベント開催:公開のためのイベントを開催して、協力していただいた皆様にお披露目すると同時に、マスメディアへのパブリシティを行い、新聞やテレビにて取り上げていただくよう手配いたします。
以上のように、写真提供の募集時から公開イベントまでをご一緒に伴走するスタイルもまた、私どもの取り組みとなります。
この機会に、ぜひ先人の方々との思い出を共有することで、地域観光の一体感を醸成できればとても嬉しく思います。
あまのがわでデジタルアーカイブ
サスティナブル・アーカイブ・ギャラリーあまのがわ スタイルによるデジタルアーカイブは、できるだけ長く、いつまでも思い出を共有できるWebサイトとして作ります。
マスターファイルの納品のかたち
デジタル化した写真やちらし、ポスターのデータファイル(マスターファイル)と、目録情報の一覧表、Webサイトの内容など、必要なデータをすべてをUSBメモリにパッケージングして納品します。
あまのがわサーバへのアップロード
サスティナブル・アーカイブ・ギャラリーあまのがわ へのアップロードを行います。すべてHTMLファイルによる静的なファイルで構成しています。特別なデジタルアーカイブシステムを必要としていませんので、ご希望があれば貴団体がご契約しているウェブサーバへの掲載もできます。
トップページ
トップページは基本的なフレームをもとにしたうえで、自由に作成できます。
Webサイトで公開するにあたり、Googleのサイト内検索やアクセス統計集計用の仕組みを組み込みます。
セット一覧
資料を仕分けし保存袋にいれたセットを作成します。のそセットの一覧表です。
場所順一覧
セット(保存袋)単位で場所順で一覧表を作成します。
編年順一覧
セット(保存袋)単位で編年順で一覧表を作成します。
セット内容-サムネイル
セット(保存袋)にある資料内容をサムネイル(小さな画像)で一目でわかるレイアウトで表示します。
資料詳細
ひとつひとつの資料を表示するとともに、資料の目録情報を表示します。
事例:関本家資料デジタルアーカイブ
お問い合わせください
まずはお問い合わせください。担当者がお伺いしてデジタルアーカイブの仕組みをお話しいたします。
およその料金とクラウドファンディング
製作費等の金額に関しては、資料点数、デジタル化の仕様などをもとにお見積りいたしますが、いちおうの目安としての費用ボリュームとして掲載いたしますので、ご検討の際のご参考にしてください。
資料点数 | およその金額 |
500点程度 | およそ52万円くらい |
1,000点程度 | およそ78万円くらい |
1,500点程度 | およそ119万円くらい |
2,000点程度 | およそ145万円くらい |
デジタルアーカイブを構築する際に、許可をいただいた上ではありますが、クラウドファンディングによる資金調達も可能です。その際には支援していただいた方に魅力的なリターンをお返しする必要がございます。クラウドファンディングは資金調達が目的ではありますが、デジタルアーカイブへの取り組みを通じて、その観光地のファンを募ることにも繋がります。
まずは、写真100枚 およそ30万円くらいを目安に始めてみませんか?
デジタルアーカイブは、世代を超えて思い出を共有することで先人たちへのリスペクトやコミュニティの一体感がうまれるといいます。地域におけるデジタルアーカイブは、その地域を愛する人たちのつながりを強くするものです。図書館サービスを提供する側だけでなく地域のみなさんと一緒に地域の思い出を紡いでいく、地域の記憶を残さんとして構成に残す、地域の古い写真(といっても昭和〜平成〜令和と続く思い出)をデジタル化して共有することがとても大切な未来への遺産になると、私たちは考えております。
そして、こんなことも
博物館資料や資料館資料のデジタル化だけでなく、ご希望があればこんなことも可能です。